2012年9月20日木曜日

関西遠征: 讃岐うどん 白庵(大阪府大阪市)

加者: 加藤集平
文: 加藤集平

前のお店を訪れてから一旦横浜の自宅に戻った私ですが、また関西にやってきました。もう1店行きます。
今回訪れるのは、阪急神戸線で梅田駅から3駅の神崎川駅のすぐそば讃岐うどん 白庵(びゃくあん)です。こちらはぴょんこさんのおすすめで、「ひやあつ」を食べてくるように言われました。ひやあつとは、麺が冷たくてだしが熱いかけうどんのことです。

神崎川駅の改札を出て左方向…


写真の真ん中奥に見えるのが讃岐うどん 白庵です。


さっそく入店。店内が満席だったため、しばし入り口付近の待ち席に座って待ちます。
10分ほどでテーブル席に案内され移動。注文はひやあつ(500円)、そして個人的に大好きなメニューであるとり天(300円)を注文。

そして5分ほどでうどんが到着!


普通のかけ系のうどんで、だしが別皿です。とても珍しいですね!

1人でうどんの写真を何枚も撮ったりうどんの太さを測ったり、しまいには麺をお箸で持ち上げた状態を撮るというはたから見たらとんでもなく怪しい行為をしていて隣のお客さんに不審な目で見られて恥ずかしかったので全然ピントが合っていませんが、麺をお箸で持ち上げてみるとこんな感じです。ちょいかための茹であげです。


2人以上で来店していれば、以上のような「不審行動」(うどんの調査のためには最低限の行動です)をとっていてもそんなに恥ずかしくないのですが、1人だと結構きついものがあります。

さて、いただきます。麺は太さ5〜7mmとややバラつきがあるのですが、エッジがよく立っていて、表面はややザラザラめ。口を通過する食感もよく、だしにもよく絡んで最高です。大当たりです。


そのだしですが、いりこの風味がよく感じられる、上品なだしとなっています。これも当たり〜大当たり。冷たいだしも飲みたかった!

そしてとり天!ビッグです。


1つ10cmはあろうかという大きさのとり天が3個入りです。お腹が空いていないとちょっと厳しいかもしれません…と思っていたのですが、衣はサクサク、中はやわらか大変美味でした!お腹いっぱいでもいけます。大当たりです。

皮が入っているのもポイント。


塩につけるといっそう美味です。


麺、だし、とり天!3つとも大変レベルの高いお店でした。

ちなみに、荷物を入れるカゴもよういしてくださっています(写真奥のピンクと緑の物体)。こういった細かな気遣いもいいですね。


阪急神戸線沿線、梅田あたりで生活されている方は是非こちらのお店へ!

さて、関西遠征と称して8店のうどん屋さんを訪れましたが、いずれも粒揃いで、「これは!」と衝撃、感動を受けたお店に複数回出会ってしまいました。私が「これは!」と思うことは滅多にないので、大変なことです。うどんと言えば讃岐うどん、というイメージのもと香川のうどんが下手をすれば無条件にもてはやされがちで、私の周りにも(東京にも、いくつもうどんの名店があるのですが)「是非香川に行ってうどんを食べたい」という人が山のようにいます。もちろん香川には素晴らしいうどん屋さんがたくさんあり、香川のうどん文化には「多様性」や「生活に根ざしたうどん」「とにかく安い」など優れたところがあります。香川のうどん文化に触れることは、素晴らしい経験になると思います。

しかしながら、それらの文化は無条件にもてはやされるべきものではありません。特に、「とにかく安い」(1杯100円〜200円台のお店が多く、300円を超えることはほとんどありません)というのはある意味強力な制約条件となっていて、コストをかけたうどんを作ることができません。麺はなくすことができないですから、結局はだしを安く作る必要があります。じょんならんの店主さん曰く「香川にだしのおいしいうどん屋さんはない」そうで、私はおいしいお店がないとまでは言わないものの、確かに少ないな…という意識を持っています。

いっぽう、関西や東京などの都会では、そのような「安さ」の制約条件はありません。高級路線を目指すことができます。今回訪れたお店も、うどん棒 大阪本店讃岐麺房 すずめのように安めのお店もありましたが、他のお店はこの2店に比べて高めの価格設定をしていました。もちろんテナント料などが様々でしょうから単純に言うことはできませんが、高くしたぶんコストをよりかけやすくなっているのは間違いありません。そのおかげか、今回の遠征では麺もさることながら、だしが美味の名店にたくさん出会うことができました。香川の「超名店」を回っても、まず同じ経験はできません。香川は安さの制約条件の中で優れたうどん文化を育んできましたが、関西は関西で違った文化を育んでいるのです。しかも今回の遠征では、じょんならんの店主さん&ぴょんこさんおすすめのお店をすべて回れたわけではなく、実はあと3店ほど残しています。それなのに、「これは!」と思ったこと複数回。関西の名店数は東京のそれを(少なくとも感覚的には)しのいでいます。もしかすると、今日本で一番うどんが熱いのは関西かもしれません。「うどん=香川」ともし思ってらっしゃる方は、是非関西のお店に行かれることをおすすめします。

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